これは沖合いの防波堤、浮き桟橋と、砂浜〜桟橋を結ぶ浮橋からなるもので、大型港の無いノルマンディーの上陸海岸において、大型船の着岸・荷揚げを可能にした。 ディエップ襲撃の失敗と教訓から、守りの堅い大規模な港への上陸を連合軍は諦めた。 その代わりに人口港を作るための資材を英国で用意しておき、海峡を渡り持って行き現地で組み立てる。 写真で沖合いに見えるのは巨大なコンクリートの箱。英国で製作し、敵に見つからないように水で満たして水中に沈めておく。 上陸作戦に合わせて水を抜いて海に浮かべ、海峡を曳航し、予定地点でバルブを開けて箱の中を水で満たし、上陸ビーチの沖合いを円弧を描いて守るようにいくつも沈めたものが残っている。 同様の目的で、用廃となった船舶(民間、軍用共に)を沖合いで自沈させて防波堤にしたが、これらは残っていない。 写真手前にあるのは浮橋と砂浜を結ぶ道路の残骸。 ノルマンディーの辺りは干潮と満潮の潮位の差が非常に大きく、防波堤も高さが高いものが必要だった。 49 20 30 N 0 37 22 W |
こちらは浮橋の橋桁。1ブロックの長さは80フィート(24メートル) |
1944年4月に建設し、当初海軍が運用していたがD-DAYの時点では陸軍が配備についていた。 4つの堡塁に、各々1門の150mm砲が配備されている。 D-DAYの前夜、連合軍爆撃機の爆撃にさらされ、上陸日早朝に艦砲射撃を受けた。 これにより4門中3門は砲撃不能に陥ったが残り1門はD-DAY当日の夕方まで断続的に連合軍に砲撃の応戦をした。 D-DAY翌日、ゴールドビーチに上陸した英陸軍歩兵隊に占拠された。 大西洋の壁を構成していた砲台の殆どは、戦後鉄屑業者により砲をはじめとして殆どの金属を回収されたが、ここはオリジナルのチェコ製150mm砲4門が残っている大変貴重な場所。 49 20 37 N 0 41 41 W |
映画「史上最大の作戦」の撮影にも現地が使われ、ハンスクリスチャンブレヒが演ずるプルスカット少佐が、ここの手前でシェパード犬と戯れていた。 49 20 45 N 0 41 36 W |
シャーマン戦車、グレイハウンド装甲車、M3ハーフトラックなどはヨーロッパの街角でよく見かけるが、自走砲は珍しい。 49 20 36 N 0 30 60 W |